
精神科ナースのアセスメント&プランニングbooks 統合失調症の看護ケア
- 作者: 日本精神科看護協会,遠藤淑美,徳山明広,南方英夫
- 出版社/メーカー: 中央法規出版
- 発売日: 2017/06/23
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
Amazonさんより。
【概要】
統合失調症の概念から、事例からの実践的、具体的看護の方法までを述べたもの。
【統合失調症とは】
統合失調症は「脳」の病気である。脳内の神経伝達物質であるドパミンの異常があることは確実で、過剰な所と不足な所があり、脳が過活動となっている所と、低活動となっている所がある。しかし、それ以外の病態や原因は不明。
そのため症状は大きく分けて、陽性症状(幻覚、妄想)、陰性症状(意欲低下、感情鈍麻)、認知機能障害(記憶、実行機能など)がある。
【基本的な看護の考え方】
①陽性症状に対して
究極的には無視できるように。
まずは、幻覚、妄想があることでの辛い気持ちに共感し、患者に余裕があれば私には聞こえない、そうは思えないことを伝えることで事実の提案。そして、他に集中できるような促しが必要。著名な時には頓服検討。
それで改善できれば服薬による効果をフィードバックする。
☆妄想については程度と信頼関係は反比例するため患者をよく知ることが大事。
②陰性症状
意欲低下:
まずはストレス要因がなかったか検討。その場合は傾聴、共感し、健康な人でも落ち込む様に、健康的部分に対してアプローチを行う。
感情鈍麻:
一貫して感情が鈍っているわけではなく、過敏な所もあるので注意して刺激をいれていく。
自閉:
自分に殻を作って自分の心を守っている状態。そのため、様子をみながら慎重に外へ出るように促していく。
③認知機能障害
記憶:
特にワーキングメモリが障害されやすい。記憶しながら実行する能力。電話番号を覚えて、電話を掛けるような。あらかじめ手順をメモして、記憶の保持と整理を代替する。
実行機能:
物事の段取りをする能力。これが低下すると融通が利かなくなる。そのため患者も一緒に計画立てる。こちらからの援助は、患者の状態を見て、具体的に指示する、選択肢を与える、意見を促す、計画自体を任せるといった方法を使い分ける。
【実践する際に】
患者は病的体験に支配され現実検討能力が低下している場合には「保護」が必要であるが、「刺激」がなさすぎると元々の生活機能は低下する。「保護」と「刺激」を常に悩みながら対応する。
☆今から1秒後にできること☆
●それぞれの症状に合わせた看護をできるようにメモして、事例から具体的な対応の検討。
以上です。
アクセスして頂きありがとうございます。
※紹介した内容は著書の一部であり、私個人の解釈で記載しています。