
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか??経営における「アート」と「サイエンス」? (光文社新書)
- 作者: 山口周
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/07/21
- メディア: Kindle版
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Amazonさんより。
★感想★
役に立つかどうか、利益が出るか、確実かなどの論理的思考ができることは憧れるし、社会では必須のように感じられる。しかし、現代ではもう誰にでもできるスキルでありそれでは不十分でリスクのある考え方となっていることに驚きながらも納得できた。如何に新しく、自分らしく、美しいモノを作れるかが今求められ、それはAIに奪うことのできない人にできる強みである。
【なぜ美意識なのか】
①論理的•理性的な情報処理スキルの限界
今まで正解とされてきた論理•理性的思考は、豊かな現代では誰もが知ることができ、ある程度訓練すれば誰でも習得できるものとなった。そのため誰もが同じ正解に向かうようになり、正解はコモディティ化し、その結果差別化が図りにくくなり過度な競争を生むようになった。そして、企業の粉飾、データ改ざん、隠蔽などの多発に繋がっている。そのため、経営者は経営の戦略を変えるか、新しいルールを作っていく必要があるがそれに必要なのが直感、感性というような美意識となる。全て合理的に行うのでなく、ふと認識した考えに向かって現実的につめていく美意識と論理をバランスよく活用する作業が必要となる。
②自己実現的消費
経済の発展により多くの人はものに恵まれ、安全、安楽は概ね確保されるようになった。安全が確保されると次に人は集団への帰属、そして、自己実現へと欲求は向かう。論理的、機能的なものより、より付加価値があるファッション的価値を優先するようになる。企業はファッション的センスが求められ、「これを身につけていること、持っていることがクール」と思わせるような商品を開発していくことが必須となる。そのため機能的よりもよりデザイン的思考を得るためにも美意識は必要となる。
③システムの制定が追いつかない
急速に発展し続ける現代では、法律のようなルールは追いつかなくなっている。そのため後からルールは作られ過去に遡って処罰されるような「後出しジャンケン」のような状態が起こる。今あるルールを拠り所に判断を行うのはリスクが高い。善悪、倫理的な感性の美意識を鍛えておく必要がある。邪悪にならないように努め、あくまで正しいことをやっていくことは長期的にみると大変効率が良い。
【美意識を鍛えるには】
①絵画を見る
観察力が鍛えられ、特に細部の変化に気づくようになる。
②VTSを行う
ビジュアルアートについて、情報提供は行わず、見て、感じて、言葉することを行い共有すること。
③哲学
哲学者の世界や社会への向き合い方、姿勢を学び思考プロセスを鍛えることができる。
④文学
誰かの生き方、考え方に共鳴することで美意識への感度を高める。
☆今から1秒後にできること☆
●美術館へ行く。
●哲学書を読んでみる。
●文学を読んでみる。
以上です。
アクセスして頂きありがとうございます。
※紹介した内容は著書の一部であり、私個人の解釈で記載しています。